この投稿では、情報をより相手に伝わりやすくするデザインについて紹介します。
あなたの授業中のワークシートや、生徒が成果物として作成する資料、あるいは、とっておきのストーリーを紹介する時のスライドにも活用することができます。
また、「情報Ⅰ」の単元である情報デザインにも対応しているため、そのまま情報の授業で活用していただくことも可能です。
それでは、早速みていきましょう。
まず、「デザイン」と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべますか?
質問です。『優れたデザインのペン』とはどんなペンでしょうか??
装飾が施されたペンでしょうか?それとも書き心地にこだわったペンでしょうか?
ここでいう、デザインとは、そのものが持つ存在価値や利用価値を最大限に発揮させるための工夫などのことを指します。
つまり、ペンは本来、書くための道具として存在しているので、ペンとして「書きやすくする」ために多くの工夫があるものが『優れたデザインのペン』と言えるでしょう。
では、デザインされた資料や、デザインされたスライドとして、工夫できることは何でしょうか?
相手に何かを伝える際に、伝えたい情報を整理して、伝わりやすくするための工夫のことを『情報デザイン』といいます。この情報デザインにおいて一番大きなポイントは、受け取り手側の『認知負荷(情報を受け取る際の心理的なストレス)』を下げることです。
どのようにすれば認知負荷を下げ、情報を伝わりやすくできるのでしょうか?
今回は、この情報デザインについて、4つの原則を用いて学習をすすめていきたいと思います。
4つの原則のことをよく、デザインの4原則といいます。この原則は実際にプロのデザイナーの方々も利用される原則です。
デザインの4原則は、『整列』 『隣接 / 対比』 『反復』 の4つからなります。
まずは『整列』です
いかがですか?丸が4つ並んでいますが、左から3つめの丸だけ少し飛び出しているのが気になりませんでしたか?これが認知負荷です。図形や文字など、揃っていない状態で、意味がわからないズレがあると、そこが気になり、他のことが頭に入ってこなくなります。これが、整列の重要性です。
認知負荷を下げるために、図形や文字を整列させるか、もし飛び出させるなら、意味のある飛び出させ方をさせましょう。
次は、『隣接』です。
水色の飲み物は何円だと思いますか?100円?それとも150円?パッとみた時に迷いませんか?
例えば、このように、説明したい図や画像の近くに文字を持ってくると、一目瞭然で判断することができませんか?これが、隣接の力です。
一方、『対比』は、構成する要素同士の関係性のことを指します。2枚のスライドをみてください。より興味を惹かれるスライドはどちらですか?
あなたはどちらのスライドに興味を惹かれましたか?
おそらく前者と答える人が多いのではないかと思います。後者のスライドは、すべて文字は同じ色、同じ大きさ、抑揚がなくどの部分を強調したいのかが分からない一方で、前者のスライドは、文字の色や大きさを工夫して、うまく対比させることで、何が伝えたいメッセージで、そのメッセージを補強する説明がどの部分に記載されているのかをひとめ見てわかるようにしています。
これが、『対比』です。利用するソフトウェアや端末にもよりますが、これくらい、文字サイズのポイント数の違いがあります。
最後は、『反復』です。まずは、次の2枚のスライドを見てください
では質問です。上記のスライドの次に、「毒をもつカエル」という見出しのスライドが来るとしたら、どのようなレイアウトで表示されるかが想像できますか??
おそらくこんな感じで、右側には画像、左側上部に見出しがあり、その下には見出しと関連する情報が記載されると考えた人が多いのではないでしょうか?
これが、『反復』の効果です。
同じパターンの繰り返しは 見る人に読みやすさと安心感をもたらします。
うまく資料の中に反復する要素を取り入れると、情報の受け取り手側は、どこを見ればいいのかが分かり、スムーズに話を聞くことができます。これは、スライドのデザインに限らず、話の構成などにも応用が可能です。また、繰り返すことで印象付ける効果もあります。
いかがでしたか?
『情報デザイン』として、情報を整理し、相手に伝わりやすくするための工夫をデザインの4原則を用いて説明しました。
ぜひ色々な場面で、受け取り手側の『認知負荷』を下げる工夫として取り入れてみてください!
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