国語科の物語文の学習では、場面の出来事や本文の記述を根拠にして、心情の変化を考えることが大切です。そこで、Keynoteを活用し、登場人物の感情の動きを視覚的・動的に表現する「感情メーター」を作成しました。
学習の概要
物語の場面ごとにスライドを作成し、グラフ上に登場人物を表すキャラクターアイコンを配置します。縦軸は登場人物の「元気度」や気持ちの高まりを表します。子どもたちは本文を読み、その場面での登場人物の気持ちを考えながら、キャラクターアイコンを適切な位置へ動かします。スライドの区切りと物語の場面の区切りを対応させることで、子どもたちは、どこで場面が変化したのかその場面で何が起こったのか、出来事を通して気持ちがどのように変化したのか、ということを関連付けながら整理できます。
マジックムーブで心情の変化を表現する
スライド間には、Keynoteの「マジックムーブ」を設定します。次の場面へ進むと、キャラクターアイコンがグラフ上を上下に移動します。静止したグラフを見るだけでなく、アイコンが実際に動くことで、登場人物の心情の変化を連続的に捉えられます。複数の登場人物を同じスライドに配置すれば、それぞれの心情を同時に表現することもできます。アイコン同士が離れていく動きから気持ちのすれ違いを捉えたり、物語が進むにつれて近づいていく様子から、登場人物同士が理解し合っていく過程を考えたりすることができます。
本文の記述を根拠として示す
キャラクターアイコンの近くには吹き出しやテキストボックスを配置し、その心情を読み取った根拠となる本文の記述を入力します。「悲しそうだから下に置いた」と感覚だけで判断するのではなく、本文中の言葉や行動、会話、情景描写と結び付けて説明することで、叙述を根拠に心情を読む学習につながります。吹き出しやテキストボックスには、本文から引用した言葉だけでなく、この言葉からどのような気持ちが分かるのか、前の場面と比べて何が変化したのか、なぜアイコンをこの位置に置いたのか、といった子どもの考えを加えることもできます。
音読を録音して表現を深める
Keynoteには、根拠となる部分を音読した音声を追加することもできます。声の大きさ、速さ、間の取り方、抑揚などを工夫して読むことで、登場人物の気持ちを音声でも表現できます。文字で心情を説明することが難しい子どもも、キャラクターの位置や音読によって自分の考えを表現できます。視覚と聴覚の両方を活用することで、一人ひとりに合った方法で学習に参加できるようになります。音声を再生しながらアイコンの動きを確認することで、読み取った心情と音読表現が一致しているかを自分で振り返ることもできます。
おわりに
この活動では、Keynoteに標準搭載されている図形、画像、音声録音、トランジションなどを使用します。特別なアプリや追加機材を必要とせず、Keynoteが利用できる環境であれば実践できます。テンプレートを用意しておけば、子どもたちはキャラクターアイコンの移動、吹き出しへの入力、音声の録音を中心に活動できます。また物語文だけでなく、伝記、詩、歴史上の人物の心情理解など、ほかの教材や教科にも応用できます。
マジックムーブについて https://education.apple.com/learning-center/T022005A?backTo=%2Flearning-center%2FT006364A-ja_JP
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