授業デザインを考えるワークショップ

2024年7月20日に三田国際学園中学校・高等学校で行われたApple Education Community Meet up in 東京のワークショップの内容と当日の様子の共有です。

スキルを共有し、活用するという方向ではく、教員としてのマインドを考えるワークショップです。教員としての在り方を認識することは教員自身のアイデンティティに繋がり、教員のウェルビーイングや教育活動に反映されると考えています。そのような教師の姿は、生徒に良い影響を与える存在となります。

授業デザインにおいて、目的と手段を間違えないようにするために、今の場で教員としての自分の目的を考えます。特に、自分の内面にフォーカスし、教員としてのあり方を大切にし、何をするのかということより、自分がどうあるのかを考えて、参加者とそれを共有する時間にしました。また、目的を明確にしてからの授業デザインの手法の1つとして、5年間にわたり単元内自由進度学習を実施した生徒の事例を紹介しました。 

最初に自分が思う教員としての在り方の紹介。自分自身が教員として、どうありたいか。これを考えた時に私は教員は触媒だと考えます。どのようなものかというと学んだ後の可能性を見せること、多様な人に出会う「場」を作ること、喜びを共有する仲間になること、バイアスを取り除くこのようなことができる人でありたいなと思っています。私の中で今の軸になっているものです。    

次に、目的を考えてから手段を選んだ授業デザインとその実践の共有。生徒たちには「自律した学習者(本校の目指すべき学習者の姿)、学び方や内容を選択できる」こと私自身としては「自分が生徒たちの学び・授業をコントロールするのではなく、生徒自身がそれぞれ自分の学びにオーナーシップを持てるようになってほしい」ということを目的としました。これらのことから、私は場作り、自由進度学習、ルーブリックという手段を取りました。

評価と授業デザインの例の1つを紹介しました。 中学2年生の時のある1時間です。ある生徒がその日の授業内容で確認したいことを申し出てくれたので、授業の最初にMentimeterで実施しました。メンチメーターには復習や本時の目標が盛り込まれていました。そして、その内容をもとに自分の学び方を選んで取り組んでいます。写真の右上はGeoGebraというグラフ描画アプリを用いて考察している生徒の様子です。一方で紙面に実際に自分で取り組んでいる生徒もいます。アプリを使っている生徒を対象に自分の考えをオンライン上で集め、共有をしました。最後に左下の写真のように自分の学んだことを全体に共有をしました。学び方や内容を選択できていると感じた瞬間でした。

私の実践を例として、参加者の方に次の2点を言語化するワークを行いました。①(自分の授業を受けている)目の前の生徒がどのようになってほしい,②①の生徒の姿に向けて、自分はどうありたいか?参加者それぞれが気づきを得られるように、1人1人が発表してもらった後に、質問を投げかけてもらい、対話する時間を設けました。

以上のワークを通して、2学期の授業を考える際に、先生たちに学校現場の事情とは違う観点を持って授業を考えるきっかけになればと思います。

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