個人探究におけるテーマの見つけ方

探究学習において、「問いをつくる」段階が一番大切であり、支援の難しいところです。子ども達の出す問いを分類すると、情報・知識を求める問い、原因・理由を求める問い、解決方法・問いへの答えを求める問いなどが見られます。 

では、なぜ問いをみつけるのでしょうか。実は何かを見たり、聞いたり、触ったりすると自然に湧き出てくるものであると思います。個人差はあるものの、生後半年を過ぎた頃から 身の回りの物に親しみ、興味や関心を持ち、見る、触れる、探るなど、身近な環境に自分から関わろうとする行為が現れると言われています。問いを見出すということは、考えるきっかけになったり、調べるための原動力となったりして、自分の知らない自分に気づき、より深く自分を知ることができると言えます。 

問いを見つけるには、さまざまな方法法がありますが、今回は、5つのことについて、グループで自由にお話ししてもらう方法で問い見つけをします。ある言葉を一つずつ提示します。3分間の間自由におしゃべりをします。 

今のグループでおしゃべりした中で、自分の中に残っている言葉をたくさん書き出します。文ではなく、単語でもよいです。できるだけ、たくさん書き出してみましょう。   

さあ、ここから思考ツールを使ってみましょう。SOLANでは、考える技を学習する時間が1年ー4年まで1コマ15分の週2回あります。これらのツールの中から、今回はイメージマップを使います。 

イメージマップは、「関連づける」という思考を促すための図です。あるものにつながることを見つけて広げていく考え方です。 

 

この思考を促す時に使う図がイメージマップです。例えば、中央に「春」という言葉を書き、そこから自分の考えを広げる時、最初に浮かんだ言葉を周りに書きます。さらに、その言葉から浮かんだら、線で繋いで広げていきます。 


考える時のポイントとして、自分の見たこと、したこと、聞いたことなどを思い出してみましょう。  

関連づける思考は拡散思考と収束思考の2通りあります。拡散思考、つまり広げるときはイメージマップ。収束思考、つまり、まとめるときはコンセプトマップを使います。 


では、今書き出した言葉の中で、一番気になった言葉に丸印をつけましょう。「それにしようか」と迷う人もいるでしょうけれど、あえて一つ選んでみましょう。  


一番気になった言葉をイメージマップの中央に書き、その言葉から思いつくことをどんどん広げていきましょう。  


次は、広げた言葉を疑問形にします。問いとは、「たずね聞くこと」です。その形に変換することで、この問いに対して答えを導き出すのだという意識がはっきりとすると思います。それが「なぜ~だろうか」という疑問文の形に変換する理由です。できるものを疑問形にします。そこで、自分にとって問う必要のあるものが絞られてくると思います。 

疑問文を作ったら、一つ一つの問いに対してなぜ、尋ね聞きたいのかについて自分の考えを書きます。そして、3つの視点で評価します。この視点は、教師の意図や子どもの実態に応じて考えるとよいです。自分にとってよい問いを絞っていくための手続きです。  

評価した結果から、一つの問いを選びましょう。

子どもが選んだ問いに対して、教師のコメントを書きます。この時、教師は、その子にとって探究のテーマとして良いかどうか助言する必要があります。すぐに答えがでてくるような問いを選んでくる子どももいます。それをよしとするかどうかは、子どもの探究の実態から判断しましょう。すぐに答えが出ることを体験させることに意味があるとなれば、よしとするもの教育的配慮だと思います。正解はありません。

探究テーマが見出せたら、何をどのような方法で調べるかを考えます。その時、問いをいくつかの視点で分ける必要があります。ここに一つの例として8つを提示しています。その視点から問いを分解してみます。問いによっては、全ての視点で考えられないものもあると思います。 

探究プロセス「課題設定(みつける)」段階の最終として、探究計画カードをまとめます。これを作成することで、探究の途中で行き詰まった時、この計画カードに立ち戻って、何を修正したら良いかを考えます。

この中で特に必要なのが2番のテーマ設定の理由です。なぜ、このテーマにしたのかが一番重要であると考えます。ここに子どもの思いの原点があります。必ず3つの視点で書くように指導します。探究学習だから子どもの自由にさせてみる!のではなく、指導すべきはきちんと指導をします。できたら、教科等でこのような計画カードを作成するような体験があるとなおよいと思います。 

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